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理工学研究科 理工学専攻 電気電子工学講座
情報ストレージ研究室


 我々の研究室では、高度情報化社会を支える技術の一つである、情報ストレージ装置の高密度化のために必要な信号処理方式に関する研究を行っています。

 情報ストレージ装置と言われてもピンと来ないかもしれませんが、データセンターでは,ハードディスク装置(HDD:hard disk drive)が現在もその大部分を担っています。 そのため、HDDの大容量化につながる技術として、低密度パリティ検査符号とパーシャルレスポンス(PR)方式を用いた繰返し復号や二次元磁気記録(TDMR: two dimensional magnetic recording)などの 高密度化信号処理方式を中心に研究しています。

 HDDは現在の垂直磁気記録方式(PMR:perpendicular magnetic recording)から、次世代の磁気記録方式として、エネルギーアシスト磁気記録方式である、マイクロ波アシスト磁気記録方式 (MAMR:microwave assisted magnetic recording)と熱アシスト磁気記録方式(HAMR:heat assisted magnetic recording)が有力な候補としてドライブへの搭載が進められています。 再生ヘッドにおいてはスピントロニクスが導入されていますが、MAMRでは記録ヘッドにもスピントルク発振素子(STO:spin torque oscillator)が導入されることになります。

 信号処理方式としては、再生ヘッド感度の広がりにから生じるトラック間干渉(ITI:intertrack interference)の影響を低減(利用)するための二次元信号処理方式の導入が期待されると共に、 記録層を複数備えた三次元磁気記録をHDDに適用する研究開発も始まっています。

 当研究室では、これら次世代HDDの高密度化信号処理として多次元信号処理の開発やニューラルネットワークなどの導入についても検討しています。 これら、HDDの信号処理方式の研究については、主に情報ストレージ研究推進機構(ASRC)の助成を受けて研究を行っています。

 一方、データのアーカイブ用途では、コスト、信頼性などから磁気テープ装置が注目されています。バリュウムフェライトや新たなメタルテープの開発により、記録密度が大幅に向上しつつあることから、 磁気テープ装置の高密度化のための二次元信号処理方式に関して媒体メーカーと共同研究を実施しています。 また、SDRAMやDRAMを置き換える不揮発性メモリとして期待されているSTT-MRAMや磁性ナノワイヤ―を用いたレーストラックメモリのための信号処理方式についても研究を始めています。

( 令和 2 年 1 月 )


当研究室は愛媛大学の特色ある研究として紹介されています!


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